熱投475球、三浦銀二(福岡大大濠高校)。

第89回選抜高校野球で一躍脚光を浴びた福岡大大濠高校のエース三浦銀二投手。
今大会の福岡大大濠は、3月21日に予定されていた初戦の創志学園(岡山)戦が雨天順延、今から考えればこれが後の激動を暗示していたのかもしれません。

創志学園に9本のヒットを許したものの、失点3自責点2に抑え、味方の援護もあって6-3で勝利しました。
安定した投球フォームから制球の効いた投球。
質の高いピッチングに注目が集まりました。

2回戦は初戦の4日後に滋賀学園と対戦。
立ち上がりをつかれ、滋賀学園に1点許しますが、その後は安定した投球を続けます。
8回表に味方が1点返して同点になると、9回で決着がつかずに試合は延長へ。

延長になっても両チーム得点できず、とうとう延長15回になります。
15回裏滋賀学園は先頭バッターがヒットで出塁し、バントで送って1死2塁と三浦を攻め立てます。
滋賀学園サヨナラのチャンスでしたが、三浦は落ち着いて後続二人を打ち取り、試合は引き分け。
再試合になりました。

当初翌日の第4試合に予定された再試合でしたが、続いて行われた健大高崎(群馬)-福井工大福井の試合も延長15回引き分け再試合になるという珍事になったため、一日置いて翌々日に再試合2試合が組み込まれました。
一人で196球を投げ切った三浦に対し、二人の投手でまかなった滋賀学園。
ここまでピッチャーは三浦一人で戦ってきた福岡大大濠にとって、一日の休養が吉と出のか。

そして再試合では、失点はしますが、1点ずつ3点にとどめます。
味方の援護に助けられ、とうとう130球完投し、5-3で勝利します。
1回戦149球、2回戦延長15回196球、再試合130球、7日間3試合で475球の熱投です。

報徳学園(兵庫)との準々決勝は、その翌日行われました。
福岡大大濠の八木監督は、その日の朝まで三浦の起用について決めかねていたようです。
三浦自身もトレーナーも登板は可能との判断でした。
しかし、八木監督の下した結論は、三浦を起用しないことでした。

八木監督は、優勝するためにはとの逆算で、三浦の登板を見送りました。
また三浦なしに戦うことで、チームとして成長できるとの見方もあったようです。

1回裏いきなりピンチを迎え、早くも二番手投手を起用するはめになります。
ここで三浦がブルペンに向かいますが、八木監督が三浦を制します。

7回裏リードを許す中、業を煮やした三浦が再びブルペンに向かいます。
今度は八木監督も止めませんでした。
しかし、結局三浦の登板はなく、福岡大大濠は3-8で敗れました。

夏であったら三浦は登板していたかもしれません。
しかし、今回は春。
まだ夏がありますし、無理して怪我でもしたら元も子もなくなります。
この試合を経験して、福岡大大濠は間違いなく成長したと思いますし、チームとしての課題もはっきりしたと思います。

福岡大大濠がこれからどんなチームになっていくのか非常に楽しみですし、三浦銀二がどのような投手になっていくのか非常に楽しみです。